昔は、音楽は「聴くもの」だったような気がします。
レコードをかける。
カセットに録音する。
CDを買う。
ウォークマンで持ち歩く。
テレビで歌番組を見るのも楽しみでしたが、手元にあるものは「音」でした。
ところが、いつの間にか私自身の音楽の楽しみ方は、ずいぶん変わっていたようです。
「モーニング娘。」を、また面白いと思った頃
「モーニング娘。」はデビューした頃から知っていました。
最初は少人数で始まり、メンバーが増えたり卒業したりしながら続いていく。
当時は、一人ひとりのキャラクターを見る楽しさが強かったように思います。
もっとも1999年の「LOVEマシーン」ぐらいからはテレビを観ることも少なくなったので、「モーニング娘。」からは遠ざかっていました。
ところが、しばらくたってから見た「モーニング娘。」は、だいぶ変わっていました。
EDM調の曲と、大人数を活かしたフォーメーションダンス。
面白かった。
誰が一番好きだとか、誰が一番かわいいとか、そういうのではなく、
グループ全体が一つのものとして動いている。
何人ものメンバーが次々に立ち位置を変え、それでも全体は崩れない。
そんなところが、日体大の集団行動を初めて見たときの、
「おお、すごい!」
という感覚に、近かったのかもしれません。
かといって、全員がロボットのようにぴったり揃っているだけでなく、少し力を抜いているように見える人がいたり、それぞれの個性が見えたり。
それでも、全体としてはちゃんとまとまっている。
そこも含めて面白かったんですよね。
音だけでも、同じように楽しめただろうか
あの頃の「モーニング娘。」を、もし音だけで聴いていたら、私は同じくらい楽しめただろうか。
これは、ちょっと自信がありません。
曲そのものも好きでしたが、ダンスまで含めて見ていたからこそ、
「面白いな」
と思っていた部分がかなりあった気がします。
どうやらいつの間にか、音楽を耳だけではなく、目でも楽しむようになっていたようです。
中学・高校の頃の私は、スピーカーやアンプ、カセットデッキの音質やノイズが気になっていました。
少しでも良い音で聴くことに夢中になっていました。
ところが今は、iPhoneの小さな画面でMVを見ながら、それを普通に楽しんでいます。
ずいぶん変わったものです。
「聴く」だけではなくなった
もちろん、昔から音楽番組もあれば、ミュージックビデオもあったわけで、音楽に映像が加わったのは最近の話というわけでもありません。
ただ、私の中では、その重心が変わりました。
音が主役で、映像がおまけだったものが、曲によっては、
音と映像を一緒に見て、初めて一つのものとして楽しんでいる。
ダンスを見る。
表情を見る。
衣装を見る。
カメラワークを楽しむ。
それも全部ひっくるめて楽しんでいるようです。
振り返ってみれば、音楽の楽しみ方というのも、機械と一緒にずいぶん変わってきたんですね。
- レコード
- カセット
- 携帯プレーヤー
- CD
- MD
- Blu-ray音楽ディスク
- 配信サービス
曲を楽しむということは同じでも、楽しみ方は変わっていくんですね。
MVはBGMになるのか?
そんなわけで、今でも仕事をしながら音楽を流していることがあります。
iPhoneを手元に置いて、BGM代わりにMVを流す。
ところが、フォーメーションダンスなんかは、ついつい見入ってしまうんですよね。
仕事のためのBGM代わりだったのに、気づけば仕事の手を止めてしまっています。
音楽を、目でも聴くようになった、って、そんな噺です。
