怪しい魔女が、大きな鍋の中をぐるぐるかき回して、何か作っている絵って見たことありますよね?
何に使うのか分からない瓶が棚に所狭しと並び、天井からぶら下がるのは怪しい薬草。
そこへ魔女が薬草をひとつまみ。
あれ、ちゃんと重さを量っているんでしょうか?
魔女の知り合いがいないのでわかりませんけどね。
でも、なんとなく、
「このくらい」
で放り込んでいるような気がするんですよ。
ボタンなんて覚えていない
私の部屋には、ディスプレイが6枚あります。
ーー妻に言わせれば6枚 も あるらしい。
それぞれメーカーも違うのですが、操作方法なんてまるで覚えていません。
どのボタンでメニューが出るのか覚えていないので、明るさを変えたいな、なんて思ったら、その辺のボタンを適当に押してみます。
「なんか音量が上がったみたいだぞ。」
「あ、入力が切り替わった!(汗)」
それでも二つ三つボタンを触っていれば、なんとなく分かってきます。
家電のリモコンなんかも似たようなもので、いろいろ触っているうちに、
「たぶん、この辺?」
というのが、なんとなく見えてきます。
なんとなく探せる
アプリやWebサイトにも似たところはあって、
よほど突拍子もない作りでなければ、ユーザーの動きはある程度考えられています。
だから、
ファイル関係なら左の方。
ヘルプ関係なら右の方。
画面の中の動線は、基本的には上から下、左から右へのはず。
初めて見るアプリでも
「この辺じゃないですかね」
と探してみると、案外見つかることがあります。
裏切られることもある
もちろん、一筋縄ではいかないものもあります。
学校で使っている校務支援システムなんかは、メニュー名だけでは何がどこにあるのかわかりにくかったりします。
学校のことをわかっている人にとって使いやすければいいのだから、その辺は仕方ありません。
でも、
「WebベースなのにTabキーで次の枠に飛べない!」
「コピペしたいけど右クリックできない!」
ーーCtrl+Vならできます!
「CSVを読みたいけどメニューにない!」
ーーExcelからコピーしてCtrl+Vで!
なんてのに出会うと、
「なにそれ?」
となります。
管理者として使っているはずなのに、実はその上にメーカー側の権限がある、なんてのはわりと当たり前で、
「あ、これ“管理者”って書いてあるだけの中間管理者だ」
という、悲しい現実を見つけたりもします。
料理ができる方がすごい
でも、こういう「なんとなく」より、料理で味を整えられる方がよほどすごいと思うんです。
自作PCなんて、部品はだいたい決まったところにしか入らないから、致命的な間違いさえしなければ、それなりに動くようにできるものです。
ところが料理は、味が目に見えません。
少し塩が足りないのか。
火が弱いのか。
もう少しこのまま待った方がいいのか。
機械やアプリのトラブル対応も、案外そんな感じです。
「ここかな?」
「じゃあ、こっちは?」
を繰り返しているだけだったりします。
魔女も最初は量っていたのかも
冒頭の怪しい魔女も、最初はちゃんと薬草の重さを量ってから、慎重に鍋に入れていたのかもしれません。
入れすぎたり、足りなかったり、違うものができちゃったり、なんてことを繰り返しているうちに、
「このくらい」
になった。
機械を前にして、
「たぶん、この辺かな?」
なんてやるのも、それに近いものがあるのかもしれません。
ただ、料理の味を整えられる人を見ると、私はそっちの方がよほど魔法に見えて尊敬しちゃいますけどね。
魔女が薬草の重さをいちいち量ってると思うかい?って、そんな噺です。
