もうすぐ、新しいiPhoneが発表されるそうです。
Appleの発表は日本時間の9月10日。この記事を書いている時点では、まだ正式発表前です。
当然、いろいろな予想が出ています。
新しいProはどうなる。折りたたみ式のiPhoneが出るんじゃないか。名前は「Ultra」になるんじゃないか。Proには深い赤系の色が出るらしい。
【9月10日追記】正式名称は「iPhone Duo」と発表されました。
まだ発表されてもいないのに、ずいぶん具体的です。
そして私は、そんな記事をやっぱり読んでいます。
昔ほど新しいiPhoneを追いかけなくなったつもりなんですけどね。
iPhoneを買うために、発売日前から並びました
日本で最初に発売されたiPhoneが、「iPhone 3G」でした。発売日は2008年7月11日です。
私はその日、iPhoneを買うために店に並びました。
……というのは、ちょっと正確ではありません。
11日になる少し前から、すでに表参道にできていた長い列の中に並んでいました。
今ではスマートフォンなんて持っていて当たり前のアイテムですが、当時のiPhoneは、それまでの携帯電話とは明らかに何かが違っていました。
画面を指で触って操作する。Webサイトを見る。アプリを入れる。音楽も写真も一台に入る。
もちろん、今のiPhoneと比べれば、できることはずっと限られていました。それでも、
「これから携帯電話って、こうなるのかもしれない」
と思わせる何かがあったんです。
私はこのiPhone 3Gにすっかり夢中になりました。
いや、発売日前から並んでいるんだから、買う前からすでに十分夢中だったんでしょう。
新しくなるたびに、ちゃんと速かった
その後、3GS、4、4Sと毎年のようにiPhoneを買い替えていきました。
このころのiPhoneで特に覚えているのは、新しいモデルになるたびに、動きが確実に速くなっていったということです。
アプリを開く。画面を切り替える。Webを見る。新しいiPhoneに替えると、なにかひとつの動作をするごとに「おお、速い!」と実感できました。
特に3Gから3GSへ替えたときは印象に残っています。名前に「S」が一つ付いただけなのに、触れば違いが分かる。
新しいモデルを買う理由が、とても分かりやすかったんです。
新しいiPhoneが出る。買い替える。速くなる。うれしい。
ずいぶん単純ですが、それだけでも十分楽しかったんですよね。
「こんなアプリがあるんですよ」
iPhoneそのものだけではなく、それを取り巻く雰囲気も今とはずいぶん違いました。
テレビでは芸能人が「こんなアプリがあるんですよ」と、iPhoneのアプリを紹介していたりしました。
今ならスマートフォンにアプリを入れるなんて当たり前のことです。でも当時は、アプリを入れることで携帯電話に新しい機能が増えるということ自体が面白かったんですよね。
「へえ、そんなアプリがあるんだ」と思えば自分でも入れてみる。面白いアプリを見つけたらブログに書く。誰かのブログを読んで、また別のアプリを試してみる。
私自身、当時はiPhoneについてブログを書いていました。いわゆるiPhoneブロガーです。
一度、「iPhoneブロガー同士でオフ会をやろう!」という話にのったことがあって、東京駅 八重洲地下街のレストランに向かいました。
顔も知らない同士でしたが「iPhoneを手に持って店の前に立つ」という、とても分かりやすい――今ではたぶん通用しない――目印のもと、全国から10人以上がやってきました。北海道からわざわざそのために来た人までいました。
今考えると、なかなかの熱量です。
そしてレストランのテーブルにそれぞれのiPhoneを置きます。
なぜか、みんなホワイトのiPhone 3G。
ブラックもラインナップされていたのに、なぜかみんなホワイト。
なぜそんな偏った風景が生まれたのか、理由は今でもよく分かりませんが、今でも鮮明に覚えています。
今振り返ると、私たちはiPhoneという製品だけを楽しんでいたわけではなく、
新しいアプリを見つける。
新しい使い方を見つける。
それをブログに書く。
誰かが読んで、また何かを試す。
スマートフォンという新しいものが世の中に広がっていく経過そのものを、みんなで楽しんでいた。
そんな時代だったんだと思います。
気がつけば、ずっとiPhone
それ以来、サブ端末としてAndroidを使うことは何度かありましたが、メインはずっとiPhoneです。
3Gのころと比べれば、iPhoneはずいぶん変わりました。画面は大きくなり、カメラは驚くほどきれいになりました。処理速度も上がり、できることも増えました。
そして、もう一つ大きく変わったものがあります。
値段です。
3GSの小容量モデルなんて、本当に安かった記憶があります。それが今では、上位モデルになると普通のパソコンが買えるような値段になりました。
当時と今では性能も、できることもまったく違いますから、単純に比べるものではないのでしょう。
それでも、当時から見れば数倍という感覚です。
いやあ、高くなりました。
今使っているのは16 Proですが…
高い高いと言いながらも、現在私が使っているのはiPhone 16 Proです。結構なお値段でした。
仕事でスマートフォンについて相談を受けたり、人に説明したりすることもあるので、
「この仕事をしている以上、それなりのものを….」
なんて理由をつけてProを選びました。
理由をつけて、と自分で書いてしまいました。
まあ、多少の見栄が含まれていることは否定できません。
写真も撮ります。動画も撮ります。仕事にも使います。
でも、16 Proのスペックをフルに活用しているかと聞かれると、
使ってないですね、たぶん。
Proにしかできない何かがどうしても必要だったというより、「仕事でも使うんだし」「せっかく買うなら」という気持ちの方が大きかった気がします。
だったら、次は普通のiPhoneでもいいのかもしれません。
iPhone 3Gを買うために発売日前から並んでいた人間が、ずいぶんと落ち着いたものです。
でもこれは、iPhoneへの興味がなくなったからではないと思うんです。
え? 歳だから?? いや、それも否定できないんですけどね。
スマートフォンとしては、もう十分なんじゃない?
3Gから3GS、4、4Sと買い替えていたころは、「もっと速く」というだけでも十分な進化でした。
何か操作するときにほんのちょっと待たされるストレスが減る。それだけで新しいモデルへ替える意味がありました。
では、今はどうでしょう。
電話ができる。メッセージが送れる。Webが見られる。写真も動画も撮れる。地図が使える。決済ができる。音楽も動画も楽しめる。仕事にも使える。
しかも、そのどれもがかなり快適です。
カメラがもっときれいになる。処理がもっと速くなる。バッテリーがもっと長くもつ。もちろん、良くなればうれしい。
でも、
「それがないと困る?」
と聞かれると、私はもうあまり困らないんですよね。
スマートフォンとして必要な最低限のラインは、もうとっくの昔に越えてしまったんじゃないでしょうか。
だから新しいモデルが出ても、「今のiPhoneでは困るから買い替える」ということが少なくなったんだと思います。
iPhoneの進化が止まったのではなく、私がスマートフォンに求めるものを、iPhoneの方が先に満たしてしまったのかもしれません。
それでも、折りたたみはちょっと気になる
そんなことを考えているところへ、今年は折りたたみ式のiPhoneが登場するのでは、という予想まで出ています。
名前は「iPhone Ultra」になるんじゃないか、なんて予想もWebではちらほら見かけます。
折りたたんで持ち歩いて、開けば大きな画面になる。
なるほど。
面白そうです。
新しいもの好きとしては、やっぱり気になります。
ただ、同時に思います。
だったらiPad持てばいいんじゃね?
私はすでにiPadを使っています。大きな画面が必要ならiPadを持っていけばいい。
身もふたもありません。
もっとも、9月10日の発表を見たあとで「これは欲しい」なんて言っている可能性もあります。
何しろ、iPhone 3Gを買うために発売日前から並んだ人間ですから。
そういえば、今年の新色は?
新しいProについては、深い赤系の色が出るんじゃないか、という予想も見かけました。
へえ。
赤か。
……なんて、ちゃんと気にしています。
私としては、かつてAppleから出ていた(PRODUCT)REDモデルを思い出します。
18年前、白いiPhoneをテーブルに並べて喜んでいた人間が、今は「次はProじゃなくてもいいかな」なんて言いながら、新型の色を気にしています。
あまり変わっていないのかもしれません。
じゃあ、この次って何だろう
じゃあ、スマートフォンがこの先、本当に大きく変わるとしたら何が変わるんでしょう。
たとえば、常時装着していても違和感のないARグラスとの融合とか?
ポケットからスマートフォンを取り出さなくても、必要な情報が自然に視界に映り込む。写真を撮ったり、誰かと連絡したり、調べものをしたりするために、いちいちポケットに手を伸ばさずにすむ。
そこまで来たら、「スマートフォンの次」が始まった感じがします。
さらにその先なら、
電脳化。
……また攻殻機動隊です。
最近、この話ばかりしている気がします。
でも、それくらい違うものにならないと、iPhone 3Gを初めて触ったときのような「これから何かが変わる」という感覚には、もう出会えないのかもしれません。
逆に言えば、それだけ今のスマートフォンが完成された道具になってきたということなんでしょうね。
それでも、新しいiPhoneは気になる
さて。
この記事を書いているのは、9月10日の正式発表前です。
次のiPhoneは何という名前なのか。
折りたたみ式は本当に出るのか。
Proにはどんな色があるのか。
そして、いくらなのか。
結局、全部気になっています。
何のかんのいいつつも、9月10日になったら、私はたぶん、
「へえ、これはいいな」
とか、
「これは別にいらないかな」
とか言っているんでしょう。
でもまぁ、昔のように速攻で購入するなんてことは、もうないと思います。
……ないんじゃないかな?
新しいiPhoneが出るんだってね、っていう、そんな噺です。
2026年9月10日 追記
この記事を公開したあと、日本時間9月10日にAppleから新しいiPhoneが正式に発表されました。
記事の中では、折りたたみ式のiPhoneについて「iPhone Ultraという名前になるのでは」という予想を紹介していましたが、正式名称は**「iPhone Duo」**でした。
ほかにも、この記事を書いた時点では予想でしかなかったことの答えが、いろいろと出ました。
発表前には「あれが出るらしい」「こんな色になるらしい」といろいろ想像して、発表されたら答え合わせをする。
考えてみれば、これも新しいiPhoneが出るときの楽しみの一つなのかもしれません。
そして私は、
「食指が動いた」のか、「今の16 Proで十分」なのか。
……それについては、また別の噺にしましょう。
